はるの文章置き場

雑多オタクがたまに論文を置く。

アイドリッシュセブンというコンテンツについて~4周年に寄せて~

ナナライ2ndや4周年のキャッチコピーを見て考えたアイドリッシュセブンについての論文みたいなものです。

 

 

 

 
二次元コンテンツとしての「アイドリッシュセブン*1
 
アイドリッシュセブンは、アプリゲームである。この文章では、アイドリッシュセブンのアイドルがいかに実在しているか?というのをメインとして書く。しかし私はIDOLiSH7*2が作られた存在であることを知っているし、だからこそ彼らのことを愛している。IDOLiSH7はPたちが企画を作ってから設定、容姿、ストーリーなどが人の意図によって作られてきた。アイドリッシュセブンのアイドルは、実体を持ってこの世界に居るわけではない。では、世間で言われている「IDOLiSH7実在する」とはなんなのか?というのを次から説明したい。
 
IDOLiSH7の実在性
 
アイドリッシュセブンは、「実在性」を売りにしている。そして、IDOLiSH7の存在を2次元である彼らの世界から3次元である私たちの世界へ近づけている。
 
最後に本当にライバルはいないのか?と問うと、「三次元かもしれない」との答えが下岡さんから戻ってきた。二次元と三次元では大きな壁がある。しかし近年は“2.5次元”という言葉をよく聞くようになった。今まででは三次元からのアプローチだったが、二次元側からのアプローチするのが「アイドリッシュセブン」である。そこが「三次元がライバル」とする理由だ。
さらにゲームに合わせてCDのリリースを予定、ミュージックビデオも驚きの展開を用意しているとのことだ。
最後の方で下岡さんは「シナリオのとある部分で“虹”を超えてというのがあるのですが、“虹”と“二次”をかけているんですよ」とこっそり教えてくれた。それはまさに「アイドリッシュセブン」の願望であり、一つのゴールなのだろう。
-ライバルは三次元 ゲームと二次を超える「アイドリッシュセブン

 

実在する、とはどういうことなのか。先程の引用に「三次元」という言葉が出てきたが、三次元のアイドルは実在しているか?と聞かれれば実在する、という答えになると思う。
今考えているのは二次元であるIDOLiSH7のアイドルとしての実在性である。
ここで、三次元のアイドルとアイドリッシュセブンでは何が違うのか?を考えてみたい。
まずはアイドルについて考えたい。

「アイドル」とは何か?と調べた中で、

 成長過程をファンと共有し、存在そのものの魅力で活躍する人物

-wikipwdia「アイドル」

 

という定義が良いと思ったのでこれで考えていきたい。
①成長過程をファンと共有する
三次元のアイドルでは、デビューしてから(あるいはインディーズ)からの歩みをアイドルの仕事を通じて見る事ができる。*3
アイドリッシュセブンでは、アイドルの仕事をしている姿(テレビ番組、ライブなど)はほとんど見る事ができないがIDOLiSH7がどのような過程でアイドルをしているかをストーリーで見る事ができる。
②存在そのものの魅力で活躍する
これはアイドルのファンがいう「推し」「担当」などという言葉に集約されると考える。好きなアイドルの歌が好き、踊りが好き、容姿が好き、喋りが好きなどももちろんあるが、多くの人はアイドルそのものを愛しているように見える。私もそうである。
ここに関して、三次元とアイドリッシュセブンに違いはないと思う。
 
アイドルの実在性に関しては、まずこれを見てほしい。
 

嵐のJALのCM


JAL先得「幸せのハート」篇 30秒


IDOLiSH7JR東海のCM


ジェイアール東海ツアーズTVCM OFF/旅@AICHI篇

 

これは、アイドルとしての仕事をしているIDOLiSH7だ。JR東海ツアーズさんとのお仕事では愛知(好評開催中の第2弾では京都)への新幹線+宿のセットのツアーが開催された。
CMや、ツアーに行くともらえるパンフレットではIDOLiSH7のメンバーが愛知を観光する様子を見る事ができる。
 
アイドルの創出
 
アイドリッシュセブンは、「アイドルの創出」を目標に掲げている。

当社では日頃より、「アイドル」そのものについて広く研究を行ってまいりましたが、アイドリッシュセブンのコンテンツを企画開発するに当たりましては、「アイドルの創出」を目標に掲げ、アイドルとして魅力的な人物像を考え、絵の力・脚本の力・声の力・音楽の力を結集させました。
https://idolish7.com/topics/info/2016/3680/ 

-アイドリッシュセブンを応援していただいている皆様へ

 


アイドルを作り出す。
アイドリッシュセブンのメインストーリーに出てくるIDOLiSH7、TRIGGER、Re:vale、ŹOOĻはアイドリッシュセブン運営に作り出されたアイドルなのである。
先述したとおり、アイドリッシュセブンのアイドルに実体はないし、実際にこの世で生きている人間ではない。

しかし、IDOLiSH7、TRIGGER、Re:vale、ŹOOĻというアイドル達は"作られたアイドル(グループ)"として実在している。

ゲームを作る際の決め事は3つありました。(中略)3つ目は「本物のアイドルを作るつもりでやる」こと。そういう気持ちを大事に製作チームを運用しています。
-アイドリッシュセブン ファンブック

 

 アイドルたちが実在しているということを大事に、皆さんと一緒に楽しんだり、驚いていきたいという気持ちがまず第一にあります。
-spoon 2Di vol.44

  なので「描きおろし」ではなく「撮りおろし」であったり、アーティストに楽曲提供を依頼する時には「アイドリッシュセブンへの提供」ではなく「その曲を歌うアイドルへの提供」になっている。

 

 

 

以上のように、アイドリッシュセブンというコンテンツには「作品としてのアイドリッシュセブン」と、「運営が作り出したアイドルのIDOLiSH7/TRIGGER/Re:vale/ŹOOĻ」の2つの楽しみ方がある。
 
 
ナナライ*4とはなんだったのか
 
私は、ナナライはコンテンツのライブであったと思う。
1stでも2ndでも、本編のセリフを使った演出が必ず入っていた。1stではストーリー2部にあったIDOLiSH7としての危機とそれを脱するまでの本編のセリフを集めた映像をそれぞれの象徴となる2曲の間にはさみ、2ndではŹOOĻで同じような演出を行った。他にも、1stでは全体の流れが本編を意識したものになっていたり2ndではTRIGGERの「願いはshine on the sea」では本編で初披露の時にあったアクシデントを再現したりしていた。MVと合わせたダンスやステージの形など、アイドリッシュセブンを追っているほど楽しいライブであったこともコンテンツのライブだと感じた点である。
 
しかし、コンテンツのライブということと同時にアイドリッシュセブンの展開の中でもかなり上位の「アイドルの実在性」を感じる事のできるイベントだと思う。
アイドルが本編やライブのキービジュアルで来ていた衣装を着ている声優さん。MVで見たステージやバックダンサーさん。後ろで流れている映像と同じダンスをする声優さん。
セットが似せられ、衣装が似せられ、髪型が似せられ、同じダンスを踊る。ドームのどこから見てもそれは自分たちの応援しているアイドルに見える。
 
ナナライは、「アイドリッシュセブンのコンテンツ・ストーリーが好きな人」「アイドリッシュセブンのアイドルが好きな人」のどちらも楽しめる。それはMCの時の声優さんそれぞれの動きにも見られたと思う。アイドルに完全に寄せる人、寄せていない人、たまに寄せる人、たまに本編に絡めたことを言う人。コンテンツの一員としてふるまう方もアイドルとしてふるまう方もいた。
また、ナナライのすごいところは自分のメインの楽しみ方ではないほうも楽しめるくらいに練られていて楽しいイベントだということだと思う。私も今までアイドルを推したことがなく、アイドリッシュセブンのことはストーリーをメインに楽しんでいた。ライブ(≒アイドルとしてのIDOLiDH7)を楽しめるのかは最初不安だったが、とっても楽しめた。
 
WHAT'S NON FICTION?
 
これは、2nd LIVEの翌日にアイドリッシュセブン4周年の広告として出されたキャッチコピーである。

 

私はこのキャッチコピーがとても好きだ。コンテンツとして、アイドルとしてのどちらでも楽しめるアイドリッシュセブンにおいてのどちらをどの程度楽しむのか、どこまでがノンフィクションなのかをこちらに問いかけている。これはアイドリッシュセブンの楽しみ方をすべてこちらにゆだねてくれる優しいキャッチコピーだと思った。
 
CROSSING×US! 交ざり合って、想像を超える未来を。
 
4周年当日に出された、「WHAT'S NON FICTION?」に対する公式からの答え。
 

idolish7.com

 

 以上、WHAT'S NON FICTION?のコピーを見てから考えてたアイドリッシュセブンというコンテンツの好きな所でした。

 
音ゲーしなくても3部まで一気に読めるので是非! アイドルにはまったことがあるかないかと好きになるかならないかが関係ないコンテンツです。
 

idolish7.com

 

よければMVも。

youtu.be

 

 

*1:コンテンツを表す

*2:アイドルを表す

*3:今更ですが三次元アイドルについてあまり詳しくないので的外れでしたら指摘してくれるとありがたいです

*4:アイドルに声を当てている声優さんが歌って踊るライブ